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高橋セミナー


医薬安全性研究会は、生物学、薬学、医学、これらの分野にまたがる医薬品開発に携わる人たちの統計の勉強の場として、長年にわたって活動をしてきました。「質疑応答」は、実験研究者と統計学者の対話の場でありますが、いつになったら質問者と回答者の議論が噛み合うのだろうか、と思うのは私だけでしょうか?

質問者側の問題点として、生物学的な実験仮説の不鮮明さ、形式的な有意差検定の多用、共分散分析などの統計モデルを活用する知識・技術力の不足が考えられました。また、回答者側の問題として、生物学的な有意差、および用量反応関係に対する認識の不足、問題に対する切り込み不足など、が原因として考えられました。

このホームページは、医薬安全性研究会の定例会の午前中に、私塾のようなスタイルで開催されたセミナーの配布資料から成り立っています。これまで、多くの人からセミナーの資料の請求されるようになり、今後の関係者の便宜のために設置いたしました。

セミナーは、優れたグラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)を備えた統計ソフトであるJMPを用い、in-vitro、およびin-vivo試験の全般について現代的な統計モデルを用いた統計解析の事例研究をテーマとしています。このセミナーは、受講者が自ら体験できる実践的統計教育としての側面も持っています。学習の便宜のためにセミナーで用いられたデータもあわせてダウンロードできるようしていますので、ご活用ください。

このセミナーは、生物検定法のテーマであった用量反応関係の把握をいかに行うかを、基本としています。この分野の古典は、Finney(1971)、 Finney(1978)の「Probit Analysis」、および「Satatistical Method in Biologicla Assay」ですが、すでに絶版となっており、セミナーでは、これらの名著の事例もあわせて紹介しております。統計ソフトJMPは、生物検定法の主要な課題である"逆推定"をサポートしており、この分野の標準的な統計ソフトとして優れています。現代的な実験データについては、何人の方から提供を受けた生データを、薬剤名を伏せ、投与量の単位などの変更して用いています。

統計モデルとして、線形回帰モデル、線形混合モデル、非線型回帰モデル、応答局面モデル、ロジスティック回帰モデル、生存時間に対するワイブル回帰モデル、実験計画のためのD最適計画など多彩な統計モデルの応用事例が用意されています。

事例からのリンク、統計モデルからのリンクを張ってありますので、気楽にアクセスしてみて下さい。また、新たな課題がありましたら、こちらまでメールをお願いします。その場合には、薬剤名はもちろん伏せていただいて結構ですので、実験の目的、実データ、および結果を添えてください。

以上
2001年2月28日
高橋 行雄

Yukms Co., Ltd | E-Mail: info@yukms.com

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