続・高橋セミナー
第12回 層別因子を含む探索的な回帰分析入門 <第3章> 繰り返しが不揃いの2因子実験データの解析
2024年1月21日
要約
繰り返しが不揃いの2因子実験データの解析に対し,平方和の分解による伝統的な方法では,分散分析表の作成ができない.ただし,質的変数をダミー変数に展開し,線形モデルを適用することにより分散分析が可能となり実用化できることは,40年以上前から線形モデルを活用したSASのGLMプロシジャによって明らかにされていた.だが,知る人ぞ知るがごとく,その存在は,日の目を見ることなく静かに時が流れてきた.観察データの解析において,2つの層別因子に着目した場合に,それらの組み合わせセルのデータ数が等しくなることはまったく期待できない.そこで,繰り返しが等しい2因子実験データに対する平方和の分解による解析法と対比できるように,線形モデルによる解析方法を導入する.次に,繰り返しが不揃いの2因子実験データでは,平方和の分解による分散分析表ができないことを明らかにし,線形モデルによる解析方法をExcelの回帰分析および行列関数を用いて平易に説明する.
第3章 目 次
3. 繰り返しが不揃いの2因子実験データの解析 89
3.1. 繰り返しが等しい2因子実験 89
平方和の分解による分散分析表の作成
修正項CTを用いた平方和の計算
推定値に対する95%信頼区間のグラフ表示
推定値の差に関する95%信頼区間のグラフ表示
(1,-1)対比型ダミー変数
デザイン行列X を用いた回帰分析の適用
要因効果に対する推定と95%信頼区間
効果αなどに対する有効反復数neを用いた分散の推定
Excelの回帰分析を用いた分散分析表の作成
3.2. 繰り返しが不揃いの2因子実験 102
繰り返しが不揃いの2因子実験データ
きれいな層別散布図の作成手順,
データの構造式
偏差平方和の計算
デザイン行列Xを用いた回帰分析
分散分析表の作成
最適水準と現行水準の差の推定と95%信頼区間
啓蒙活動
3.3. タイプI,タイプII,タイプIIIの平方和 111
主効果を主体にしたタイプIIの平方和
主効果も交互作用も平等に扱うタイプIIIの平方和
SASのGLMプロシジャによるタイプI
タイプII,タイプIIIの平方和
対比によるタイプIIIの計算
タイプIIIの平方和の使い方
現行水準と最適水準の差の95%信頼区間
文献索引,索引,解析ファイル (121)
添付ファイル
高橋セミナー12_03_繰返し不揃い2因子_2024_01_21.zip